社会保険とは?給与明細で控除される項目の基礎知識編!

毎月の給与明細を見ると、どうしても目に入ってしまうのが「控除」欄。

「あー、こんなにも引かれている」
と思う方も多いのではないでしょうか。

でも、実際には「何に使われているお金」なのか「何のために天引きされているお金」なのか知らない方も多いのではないでしょうか。

ただ「引かれている」と思うだけじゃもったいない!世の中の仕組みは、給与明細からも見えてきます!

給与明細の控除項目代表!社会保険とは?

社会保険料ってとても高いなぁと思ったことはありませんか?

就・転職時に見る「給与額」が、実際の手取り額と大きく違うことで驚いた方も多いはず。
私も、控除項目の多さにびっくりした1人です。
でも、中身を知って驚くことばかりだったんです。

「社会保険」とは、実は医療保険・年金保険・介護保険・労災保険・雇用保険の総称なのです!
個人事業主の方なら国民健康保険なども含まれますね。

社会保険の基礎|健康保険は身近な存在

生まれてこのかた、病院に行ったことがない・・・という方はごく僅か。
そう!生きていれば切っても切り離せないのが「病院」の存在。

怪我や病気などで病院で診療してもらった場合、実は満額を支払っていないのはご存知ですか?

病院等での医療費の自己負担は実は3割で、事業所が7割も負担してくれているのです。
しかも、健康保険の場合、保険料の半分は事業者が負担する仕組みになっているので、被保険者である私たちは毎月支払う保険料の半分だけ負担すればいいのです。
(国民健康保険では、保険料は被保険者が全額負担となります)

ちなみに、高額療養費制度という制度もあり、上限額を超えて支払わなくても大丈夫なように制度が整備されています。

高額療養費とは、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度です。医療費が高額になることが事前にわかっている場合には、「限度額適用認定証」を提示する方法が便利です。

全国健康保険協会「協会けんぽ」より

ちなみに私も第二子出産時には、事前入院することもわかっており、少し長引くことが懸念されたので「限度額適用認定証」を会社で発行してもらっていました。

しかもポイントは「自己負担額は世帯で合算できる」ということ。

家族で安心できるポイントですね♪

こういった健康保険の制度を受けることができるのも、毎月社会保険料を支払っているからこそです!

社会保険の基礎|厚生年金保険は将来のために

年金問題が話題になっていますが、公的年金は老後の生活を支えるものとして大事な役割を担っていますよね。

国民年金は基礎年金として「日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人」が加入している年金ですが、厚生年金保険はそのうちの一部で、会社員や公務員などになります。

この定年退職後の公的年金としてだけではなく、障害年金や死亡時に遺族年金を受給する役割も持っています。

こういった公的年金も、なんと会社が半分負担してくれているんですね。

社会保険の基礎|雇用保険は育児休業やキャリアアップにも

雇用保険は、失業保険として失業時の生活資金受給を思い浮かべる方が多いかもしれません。

実は、育児休業中の育児休業給付金も雇用保険なんです。
そして、よく資格取得の冊子に記載のある教育訓練給付金も、雇用保険の範疇ということです。

社会保険とは社会人として暮らす支えになっている

このように、社会保険の基礎を見るだけでも、いろいろな場面で役立っていますよね。

給与から毎月控除されるだけ…という視点ではなく、現在・将来にわたっての支えとして支払っているのだ、と考えると見方が変わるのではないでしょうか。

私も、育児休業給付金には大変お世話になりましたし、医療費でも自己負担額分で治療を受けられることはありがたいです。

ちなみに、日本は保険制度が手厚いのだとか!
ご自身で保険に入るのも勉強にもなりますし、とても良いのですが、まずは現時点でどれだけの支えができているのか、改めて調べてみるのも良いかもしれませんね。

「知る」ことで見えてくるものもあるので、ぜひ参考にしてください!

この記事を書いた人 玉城 久子(たまき ひさこ)
株式会社プロトソリューション(沖縄県宜野湾市)の広報担当。
2018年にえるぼし(3つ星)認定に成功し、以降セミナー登壇など女性活躍に力を入れる。
2児の母でもあり、同じママたちに”生きる知恵”を伝えるべく「制度」系の勉強中。