こどもの数(15歳未満人口)39年連続減少で生産人口への影響と経済のこれから

5月5日端午の節句「こどもの日」にちなんで、令和2年(2020年)4月1日現在のこどもの数(15歳未満人口)を総務省が公表。

なんと、1982年から39年連続の減少となるこどもの数は、1512万人で総人口に占める割合は12.0%となります。
・15歳未満 12.0%
・15~64歳 59.4%
・65歳以上 28.6%

今回は、こどもの数の減少から生産人口への影響と経済について調べてみました。

こどもの数は39年連続減少!海外との比較も

昔ながらの風景をイメージすると、こどもたちがたくさん野原を駆け回っているイメージが出てくるのは私だけでしょうか。
以前は一人っ子が珍しかったものですが、今では一人っ子のほうが多いくらいですよね。

晩婚化が進み、出生率が下がり、生活環境の改善、食生活・栄養状態の改善、医療技術の進歩等によって平均寿命の延伸が進むことで高齢化が進み、こどもの割合も下がっています。

令和2年5月4日総務省「我が国のこどもの数 -「こどもの日」にちなんで- (「人口推計」から)
内閣府 令和元年版高齢社会白書

このデータを見ると、本当に少子高齢社会であることを痛感しますよね。こどもの数や出生率は経済成長にもリンクするというデータもありますが…。

では、世界各国はどうなのでしょうか。

令和2年5月4日総務省「我が国のこどもの数 -「こどもの日」にちなんで- (「人口推計」から)

日本は…こどもの割合少ないんだなぁと改めて実感するデータです。
ただ、日本の都道府県別のデータを見るとちょっと面白いことが分かります。

令和2年5月4日総務省「我が国のこどもの数 -「こどもの日」にちなんで- (「人口推計」から)

沖縄県が突出していますよね。
私も沖縄に住んでいるのですが、体感として一人っ子より兄弟・姉妹がたくさんいる家庭が多いですね。

ちなみに、少子化問題についてはWでも別の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください!

こどもの数が減り続けたら…これからの経済はどうなる?

経済産業省のデータによれば、2050年に日本の人口は約1億人まで減少することが見込まれています。

人口に占めるこどもの数はどうなるのでしょう。
出生数の推移について推計データはこのようになっています。。

経済産業省「2050経済社会構造部会」2018年9月21日「2050年までの経済社会の構造変化と政策課題について

ただ、このデータは2017年以降は推計となっていますよね。
2019年に出生数が90万人を割った際に、「想定よりも2年前倒し」とあったので、1億人まで減少するのはさらに近い将来かもしれません。

さらに、高齢化が進むことで生産年齢人口(15歳から64歳まで)比率はますます下がります。

経済産業省「2050経済社会構造部会」2019年5月20日「人生100年時代に対応した「明るい社会保障改革」の方向性に関する基礎資料

生産年齢人口の減少は、その言葉どおり「生産者不足」に繋がります。

ちなみに、似た言葉でいえば「労働力人口」というのがあります。
総務省統計局による言葉の定義によれば、「15歳以上の人口のうち,「就業者」と「完全失業者」を合わせたもの」が「労働力人口」と定義されています。
生産年齢人口は15歳から64歳までの人口となるので、意味は全く異なります。

働き手が減っていけば、それだけ経済は停滞していきます。
そこを補填するための方法を(いろいろなところで叫ばれていますが)3つをピックアップしてみます。

・将来の働き手となる出生数を増やす!たくさん産み育てよう
・非労働力人口を労働力人口へ!働く意思がない人が働ける環境づくり
・ITの力を駆使!AIやロボット等で人材不足を補填する

こどもの数が減少しているなら、増やせばいい!なんて安直な回答かもしれませんが、その裏には「こどもを産みたくない・産めない」状況が広がっていることが問題です。
私も子育てをしながら「子どもたちは、大きくなったときに幸せに暮らせるのか」という悩みを日々抱えています。

また、働く意思がない人とされる「非労働力人口(主婦、通学、引退した高齢者など)」ですが、働く"意思"は環境によって変わるのではないかと思います。
学生時期でのスタートアップや、主婦のお小遣い稼ぎなど、実際になんらかの収入を生む仕組みを持つ人は増えているように感じます。インスタグラムから書籍化や、ハンドメイドビジネスなど、生産年齢人口の枠を超えて経済は動きつつあるのではと感じます!

さらに、ITの部分では、AIやロボット等がさらに人材不足補填の要となることが予想されます。
業務には効率化が求められ、単純作業はITの力で省人化されていきます。
手書きや紙が減ることで、情報はデータベース化されていき、分類・集計・分析も更にスムーズに行うことができるようになるでしょう。
今後は、データサイエンティストやAI関連スキルなどが求められるようになりますね。

非正規での働き方や、副業・兼業の増加、スタートアップによる起業増など、更に働き方は変わっていきます。
現状だけでなく、これからの10年20年を見据えてキャリアアップをしていく必要があります☆

こどもの数減少から現役以下世代が考えること

日本国内における少子高齢社会の構造はしばらくは変わりませんが、やはり「女性がもっと子どもを産み育てたい」と思える環境づくりが重要だなと感じます。

在宅勤務・リモートワークが今後さらに進めば、妊娠中や出産後の働き方にも選択肢が広がります。
働くママが当たり前になれば、さらにパパが育児・家事にいそしむ文化がうまれます。

今子育てをしている自分が感じることは、「男の子だから」「女の子だから」という子育てではなく、ジェンダーレスな子育てが必要だと思います。
子育ての中で醸成される固定観念の枠を外すのは、今子育て真っ最中のパパママなのではないでしょうか。
父親が育児・家事をしていない家庭の子どもは、それが「当たり前」になります。「当たり前」を覆すのはとても大変ですよね。

近年、父親が育児・家事をする家庭が増えているのはとても喜ばしいことです。両親ともにフルタイムで共働きをする家庭が増え、「男だから」「女だから」という考えがなくなることが大事だなと感じるのです。

パパママの子育てはもちろんのこと、「こども」に接するすべての大人が「男だから」「女だから」という区別なく接する社会にしていきたいですね。

これからも「W(ダブリュー)」は、働く女性を応援することで、自分が自分らしく住みやすい社会づくりにつなげていきたいと思います!

まずは「知る」ことから。
情報は「生きる知恵」です!

今回の記事も、何か参考になれば幸いです^^

この記事を書いた人 玉城 久子(たまき ひさこ)
株式会社プロトソリューション(沖縄県宜野湾市)の広報担当。
2018年にえるぼし(3つ星)認定に成功し、以降セミナー登壇など女性活躍に力を入れる。
2児の母でもあり、同じママたちに”生きる知恵”を伝えるべく「制度」系の勉強中。「SDGs」への関心も高まっており、脱プラや環境配慮に関する記事も書き始めました。