出生数90万人割れ(2019年)少子化問題で日本の社会保障や経済成長はどうなる?
2019年10月7日の日本経済新聞で、「出生数90万人割れ」の記事が掲載されていて、Twitterをにぎわせたことをご存知の方も多いのではないでしょうか。
少子化が進む日本で社会保障や経済成長の懸念の声も大きいのですが、実際に出生数と社会保障・経済成長はどう関係しているのでしょうか。
今回は、人口と世の中について掘り下げてみたいと思います。
出生数90万人割れで日本の人口減が加速
こちらが日本経済新聞のツイッターです。
「団塊ジュニアの出産期の終わりを映している」。日本の出生数は1~7月で前年同期を5.9%下回る30年ぶりの減少ペースとなり、2019年は90万人を割り込む公算が大きくなってきました。
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) 2019年10月6日
▶出生数90万人割れへ、推計より2年早く 2019年https://t.co/L5xCfp2DAe pic.twitter.com/xRhzGwOmp7
2019年1月~7月のペースでみると、年間で90万人を下回る可能性が高いというデータ結果に。
40歳代の日本人女性が900万人いるのに大して、30代は688万人、20代は577万人と少ないため、今後もますますの少子化が見込まれる、というわけです。
(総務省統計局「人口推計2019年9月報」より算出)
ちなみに、同じく総務省統計局の人口ピラミッドデータによると、労働人口といわれる年代がその上の年代よりも少ないことが見て取れます。
少子化・将来の人口減で起こりうる問題とは?社会保障や経済成長
加速する人手不足
現在でも「人手不足」の話題が尽きることはなく、日々ニュースにも巷でも耳にすることが多いのではないでしょうか。
今後少子化が進めば、新卒社員で入社してくる絶対数が減るということにつながり、ますます人手不足が加速することが予想されます。
最近では高卒生の囲い込みも話題になっていますよね。
働き手が減る、ということはそれだけで経済成長に暗雲立ち込めることは想像にかたくないと思います。
「えるぼし認定」の記事でも書きましたが、少し前から「女性活躍!」を世間が大きくうたうのは、この「人手不足」の波を少しでも和らげるためです。
母数となる「人」の数が減るのであれば、「今まで働いていなかった人」を掘り起こす必要があるのです。
社会保障の問題
また、少子化は社会保障にも大きく影響してきます。
iDeCoの記事でも書きましたが、今年金問題が大きな話題です。
厚生労働省が出した案では、公的年金の「繰り下げ受給」を75歳まで引き上げる、という内容も。
年金が「社会的扶養」であり、現役世代が今の高齢者を支えているという図になることに起因します。
働き手となる世代が少なくなれば、高齢者世代を支える人数もどんどん減ってしまいます。
1人の現役世代が、1人の高齢者を支える・・・という時代もそう遠くないのです。
社会保障とは、「国民の生活の安定が損なわれた場合に、国民にすこやかで安心できる生活を保障することを目的として、公的責任で生活を支える給付を行うもの」とされている。
平成29年度 厚生労働白書より
出生数90万人割れ、改善するためには
出生数90万人割れを改善するには・・・、それは女性に子どもをもっと生んでもらうしかありません。
ただし、新卒で妊娠発覚すれば気まずく、数年立てば部下があり仕事も面白く感じる頃、30歳代になればキャリアアップを目指す・・・となれば、出産機会をいつにすればいいのか!と悩むことが多いのも事実です。
実際に第1子出産時の母の平均年齢はかなり高まっています。
1980(昭和55)年:26.4歳
2012(平成24)年:30.3歳
2016(平成28)年:30.7歳
「女性活躍」をうたう反面、女性が活躍しようとした際に、妊娠・出産によって第一線を外れることでキャリアップを断念せざるを得ない状況に陥ってしまう現状を打破しなければ、大きな改善は見込めません。
2019年10月1日より幼児教育・保育の無償化がスタートしましたが、3歳になる子どもを持つ親は嬉しい反面、「これから結婚しよう!子どもを産もう!」と思うドライブにはなりにくいのでは、という意見も。
今後の将来を担っていく子どもを産み育むためには、年金問題や社会保障問題など耳が痛い話題が多いので、まずは現役で子育てをする現役世代が、より良い社会を創るために動き出していきたいですね。