「プラチナえるぼし」令和2年6月から!認定基準とは?女性活躍推進の新マークへ
2019年(令和元年)6月5日に公布された改正女性活躍推進法により、特例認定制度「プラチナえるぼし(仮称)」の創設が見込まれていましたが、令和2年6月1日より、「プラチナえるぼし」認定がスタートすることが公表されました。
パンフレット等の情報公開はされているのですが、資料が様々にあるので、担当者として見やすいようにまとめてみました!
【7/21追記】プラチナえるぼしが入った新しいパンフレットが厚生労働省ページにて紹介♪
⇒ 女性活躍推進法に基づくえるぼし認定・プラチナえるぼし認定のご案内(パンフレット)
改正女性活躍推進法の時系列まとめ
101人~300人事業主には努力義務とされていた項目も、2022年には対象拡大となり義務化となります。
301人以上事業主に対しては、実態を伴わない計画とならないように、数値目標を定めることが来月より追加となり、6月より、公表項目も追加になります。
企業側へは、「具体的」「実践」がポイントとして求められている、ということになります。
さて、そこで出てくる2020年(令和2年)6月1日以降創設される「プラチナえるぼし」認定ですが、どうすれば認定基準をクリアできるのでしょうか。
「プラチナえるぼし」とは
2020年(令和2年)1月末現在で、1,009社(*1)となります。
*1:厚生労働省「えるぼし」認定企業一覧より
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000129028.html
3段階目:647社
2段階目:356社
1段階目:6社
最高位である3段階目の認定企業が一番多い結果となりますね。
さて、ここで「えるぼし」認定の段階をざっとおさらいします!
1~3段階目までの認定基準の違いは、5つの評価項目のうち、いくつクリアしているかがポイントとなります。
【評価項目1】男女別の採用における競争倍率が同程度
【評価項目2】男女別の継続就業が同程度
【評価項目3】労働時間等の働き方
【評価項目4】管理職に占める女性労働者の割合
【評価項目5】多様なキャリアコースが設けられていること
→「えるぼし」認定の評価基準についてはW(ダブリュー)のこちらの記事にも詳しく記載しています。
「プラチナえるぼし」認定基準について
「プラチナえるぼし」は、3段階目の上の特例認定として創設されるマークなので、評価基準は、5つの評価項目以外にも設定されていますが、さすが特例!
かなりハードルは高く設定されていますね!
さらに、5つの評価項目も、基準がさらにハードに設定されています。
【評価項目2】男女別の継続就業が同程度
【評価項目4】管理職に占める女性労働者の割合
は、「えるぼし」認定基準よりも高い設定となっています。
厚生労働省「えるぼし認定、プラチナえるぼし認定」リーフレットより下表作成しました。
評価項目 | えるぼし | プラチナえるぼし |
1.採用 | ① 男女別の採用における競争倍率(応募者数/採用者数)が同程度であること。(直近3事業年度の平均した「採用における女性の競争倍率×0.8」が、直近3事業年度の平均した「採用における男性の競争倍率」よりも雇用管理区分ごとにそれぞれ低いこと。) 又は ② 直近の事業年度において、次の(i)と(ii)の両方に該当すること。 (i) 正社員に占める女性労働者の割合が産業ごとの平均値(平均値が4 割を超える場合は4割)以上であること。 (ii) 正社員の基幹的な雇用管理区分における女性労働者の割合が産業ご との平均値(平均値が4割を超える場合は4割)以上であること (※) 正社員に雇用管理区分を設定していない場合は(i)のみで可。 | 同左 |
2. 継続就業 | 〇 直近の事業年度において、次の(i)と(ii)どちらかに該当すること。 (i) 「女性労働者の平均継続勤務年数」÷「男性労働者の平均継続勤務年数」が雇用管理区分ごとにそれぞれ7割以上であること。 (※) 期間の定めのない労働契約を締結している労働者に限る。 (ii) 「女性労働者の継続雇用割合」÷「男性労働者の継続雇用割合」が雇用管理区分ごとにそれぞれ8割以上であること。 (※) 継続雇用割合は、10事業年度前及びその前後の事業年度に採用された労働者(新規学卒者等に限る。)のうち継続して雇用されている者の割合 〇 上記を算出することができない場合は、以下でも可。 ・ 直近の事業年度において、正社員の女性労働者の平均継続勤務年数が産業ごとの平均値以上であること。 | 〇 左に掲げる基準のうち、 ・ (i)について、8割以上 ・ (ii) について、9割以上 であること。 (その他の基準は同左) |
3.労働時間 等の働き方 | 〇 雇用管理区分ごとの労働者の法定時間外労働及び法定休日労働時間の合計時間数の平均が、直近の事業年度の各月ごとに全て45時間未満であること。 | 同左 |
4.管理職比率 | ① 直近の事業年度において、管理職に占める女性労働者の割合が産業ごとの平均値以上であること。 又は ② 「直近3事業年度の平均した1つ下位の職階 から課長級に昇進した女性労働者の割合」÷ 「直近3事業年度の平均した1つ下位の職階 から課長級に昇進した男性労働者の割合」が 8割以上であること。 | 〇 直近の事業年度において、管理職に占める女性労働者の割合が産業ごとの平均値の1.5倍以上であること。 ただし、1.5倍後の数字が、 ① 15%以下の場合は、管理職に占める女性労働者の割合 が15%以上であること。 (※) 「直近3事業年度の平均した1つ下位の職階から課長級に昇 進した女性労働者の割合」が「直近3事業年度の平均した1つ 下位の職階から課長級に昇進した男性労働者の割合」以上であ る場合は、産業計の平均値以上で可。 ② 40%以上の場合は、管理職に占める女性労働者の割合 が正社員に占める女性比率の8割以上であること。 (※) 正社員に占める女性比率の8割が40%以下の場合は、40%以上 |
5.多様なキャ リアコース | 〇 直近の3事業年度に、大企業については2項目以上(非正社員がいる場合は必ずAを含むこと)、中小企業については1項目以上の実績を有すること。 A 女性の非正社員から正社員への転換 B 女性労働者のキャリアアップに資する雇用管理区分 間の転換 C 過去に在籍した女性の正社員としての再雇用 D おおむね30歳以上の女性の正社員としての採用 | 同左 |
<その他>
・ 雇用管理区分ごとのその雇用する労働者の男女の賃金の差異の状況について把握したこと(プラチナえるぼしのみ)。
・ えるぼし認定又はプラチナえるぼし認定を取り消され、又は辞退の申出を行い、その取消し又は辞退の日から3年を経過していること(辞退の日前に、雇用環境・均等局長が定める基準に該当しないことにより、辞退の申出をした場合を除く。)。
・ 職業安定法施行令第1条で定める規定の違反に関し、法律に基づく処分、公表その他の措置が講じられていないこと。
・ 法又は法に基づく命令その他関係法令に違反する重大な事実がないこと。
ここでポイントとなるのが、
・女性が辞めやすい環境になっていないか
・女性管理職が15%以上か
という部分になるのではないでしょうか。
確かに女性活躍推進法では、女性管理職比率30%を目標としています。
ちなみに、企業でいえば、課長相当職以上が管理職とされています。
「プラチナえるぼし」で必要な女性管理職比率は達成できる?
男女共同参画白書 平成28年版 によると、常用労働者100人以上企業では、係長級17.0%,課長級9.8%,部長級6.2%となっています。
ここで出てくる心の声・・・「え!?15%以上って母数となる企業の総数自体少ないのでは!?」
とまぁ、心の声は置いておき・・・
「プラチナえるぼし」はまずこの評価項目自体のクリアが求められます。
そして、ここに更に認定の段階として、以下の項目が追加されます。
● 策定した一般事業主行動計画に基づく取組を実施し、当該行動計画に定めた目標を達成したこと。
● 男女雇用機会均等推進者、職業家庭両立推進者を選任していること。(※)
● プラチナえるぼしの管理職比率、労働時間等の5つの基準の全てを満たしていること(※)
● 女性活躍推進法に基づく情報公表項目(社内制度の概要を除く。)のうち、8項目以上を「女性の活躍推進企 業データベース」で公表していること。(※)
※実績を「女性の活躍推進企業データベース」に毎年公表することが必要
「プラチナえるぼし」では「具体的」かつ「実践性」が問われるようですが、【目標達成】がプラスされているのは、これまでとの大きな相違点といえます。
また、【人材の選任】もポイントとなりますよね。
企業として、
・取り組みの目標を立て・実践し・達成していること
・担当として推進していくメンバーがいること
はプロジェクト成功の可否を問われる要素といえます。
女性活躍推進においても、ただ基準をクリアしているだけではなく、事業として実施していけるかどうかを求められるようになったのは、かなり大きなポイントです。
企業が「プラチナえるぼし」を認定されることは、その企業の本気度が見えるといっても過言ではありません。
「プラチナえるぼし」認定企業は、真の女性活躍推進のロールモデル企業であるといえますし、この認定基準クリアを目指すことが、女性活躍・ダイバーシティの指針となるのではないでしょうか。