出生数は84万835人で明治32年以来最小。婚姻・離婚件数も減少傾向

2022年2月25日に「令和2年(2020) 人口動態統計(確定数)の概況(厚生労働省)」が発表されました。

Wでも少子化問題についていくつか記事を出していますが、こんなにも減少するとは驚きです。

人口動態統計は、出生数だけじゃなく県別情報や死因なども出ていて、いろんな情報を得ることができます。

2020年(令和2年)の出生数は84万835人

2019年に「出生数90万人割れ!」ということでかなりニュースになったかと思いきや、なんと85万人を下回る数値が1年半後に出てしまいました。

出生数が減少するということは、将来の労働人口の減少に繋がり、経済への影響も大きくなります。
女性活躍として、出産時に離職してしまうM字カーブ解消に向けた取組みも進められてきており、M字カーブ自体は解消傾向にあるものの、非正規雇用率が高くなっているなど、まだまだ社会課題は多くありそうです。

今回発表のあった人口動態統計では、驚きの出生数が発表されましたが、この統計データはさらに様々な情報があるんです!

人口動態統計でわかる47都道府県別情報 自然増は沖縄のみ

都道府県別の出生数をみると、
自然増減率(人口千対)でプラスなのは沖縄のみとなっています。
それに対し、減少率が大きいのは秋田県、続いて青森県となっています。

■参考:人口動態統計(人口動態総覧(率)、都道府県)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei20/dl/07_h3-2.pdf

人口動態統計でみる死因順位 1位は悪性新生物

人口動態統計では、死因順位別死亡数などもデータとして開示されています。

死因順位としては、
1.悪性新生物<腫瘍>
2.心疾患
3.老衰
4.脳血管疾患
5.肺炎
となっています。

肺炎の死亡数が昨年に比べてかなり減っています。
新型コロナウイルス感染症対策で、マスク・手洗い・うがいなどの基本的な感染症対策を講じた結果かもしれません。

国立感染症研究所 厚生労働省結核感染症課が令和3年12月10日に発表した「今冬のインフルエンザについて(2020/21シーズン)」によると、インフルエンザによる入院者数も例年に比べてかなり減少していることが分かります。

国立感染症研究所 厚生労働省結核感染症課が令和3年12月10日に発表した「今冬のインフルエンザについて(2020/21シーズン)」
たまき
たまき
マスク・手洗い・うがいや、ソーシャルディスタンスの確保など、基本的な対策こそ感染症に効果があるんですね!生活様式が変わったことも要因のようです。

死亡数は137万2755人で、前年より8338人減少。11年ぶりの減少だったようです。(新型コロナウイルス感染症での死亡数は、3466人)

婚姻件数も離婚件数も減少

さらに、婚姻件数は前年より7万3500組減少し、52万5507組。
離婚件数は、1万5243組減少し、19万3253組となりました。

たまき
たまき
コロナ禍で生活をがらりと変えるようなライフイベントが減っているようですね。

婚姻件数と比較して離婚件数が多い都道府県は、青森県・高知県・宮崎県・沖縄県となっており、反対に東京都・富山県・愛知県は婚姻件数と比較して離婚件数が少ない傾向にありました。

人口動態統計(人口動態総覧(率)、都道府県) より作成

母の年齢別出生数については、前年より増えているのが45~49歳のテーブルのみとなっています。
女性活躍とライフイベントの両立をはかるためには、もっと考えなければいけないことがたくさんありそうです。

人口動態統計というデータ一つでも、様々な情報が得られます!
ぜひ省庁のデータも日頃からチェックしてみると、新しい発見があるかもしれません。

今回の記事も何かの参考になれば幸いです。

この記事を書いた人 玉城 久子(たまき ひさこ)
株式会社プロトソリューション(沖縄県宜野湾市)の広報担当。
2018年にえるぼし(3つ星)認定に成功し、以降セミナー登壇など女性活躍に力を入れる。
2児の母でもあり、同じママたちに”生きる知恵”を伝えるべく「制度」系の勉強中。「SDGs」への関心も高まっており、脱プラや環境配慮に関する記事も書き始めました。

社会少子化

Posted by media-w