テレワーク・WFHとは?在宅勤務・リモートワーク導入への課題・デメリットについて【②体への悪影響 編】

新型コロナウイルスにかかる緊急事態宣言を受けて、感染症拡大防止の観点からテレワークを導入する企業・団体が増えています。

前回は、「テレワークとは」という用語の説明から、育児との両立について記事を書きました。

今回は、「体への悪影響 編」と題して、働く環境に特化されていない環境でのカラダへの影響と、ぜひ取り入れたい環境づくりにスポットをあててご紹介していきます!
 
「腰がいたいー」
「目が疲れた><」
など、慣れない環境での在宅勤務・リモートワークを快適なものにするためにも、ぜひ環境づくりに力を入れてみませんか?

厚生労働省「テレワークでの作業環境」を参考に環境を整える

世の中には様々に在宅勤務の環境づくりについて紹介しているサイトがありますが、やはりここは国のサイトを…と探すと、厚生労働省にこんなページを発見しました!

まさに!「自宅等でテレワークを行う」という今の在宅勤務・リモートワークにとって、環境づくりの元となる情報が盛りだくさんです。

・10立方メートル以上の空間
・換気ができる窓があり、太陽光が入射する場合はカーテンなど設置
・机上の照度300ルクス以上(会社の蛍光灯下くらい)
・室温17~28℃、相対湿度40~70%程度(空調が直接あたらないように)
・ディスプレイの照度500ルクス以下
・机の広さ、机下の空間、高さの調節
・椅子の安定性、可動性、座面の高さ調節

などなど

こんな環境があれば、仕事もスムーズに進みそうですよね!
しかも図に書いてある椅子は、、もしや「エルゴヒューマン」でしょうか!?
在宅勤務といえど、やはり長時間ともにする椅子にはこだわりたいポイントですね。

そしてなんと、部屋の大きさまで規格が決められているのには驚きました!
ただ、この図だけだと「正しい姿勢」を自分でやるには難しい印象でした。
(足裏が床に接する、ディスプレイと40cmの視距離を確保、などのテキストでの紹介のみ)
姿勢については後述いたします♪

在宅勤務をはじめた7割以上が在宅コリに悩む!?

1月中旬に国内初の感染者が見つかってから、新型コロナウイルスの感染拡大が続き、企業が相次いで在宅勤務へと移行を進めてきました。
そんな中、あの磁気治療器を販売するピップ株式会社が体の不調について調査を実施したというリリースを発見しました!

2020年3月に調査した20~50代の男女163名への調査では、在宅勤務をするようになって肩こりや腰痛を感じるようになったり、深刻化した方の割合は、なんと74.2%にものぼるのだとか!

そして、肩こりや腰痛を感じる要因は、次の3つが上位になります。
1位:長時間の同じ姿勢
2位:普段と違う姿勢(仕事用の机がない等)
3位:運動不足

確かに!

会社だと、朝礼があったり、ミーティングがあったり、なんだかんだ立ち上がったり歩くことも多いのですが、在宅勤務になるとあまり動かないですよね。

2020年4月16日のNHKの記事(筑波大学大学院と健康機器メーカー「タニタ」による調査)では、テレワークで1日の歩数30%減少、という結果も出ているそうです。30%と考えるとかなり大きいですよね。

私もスマートウォッチで歩数測っていたのですが、出社時は1日平均8000歩(通勤は自家用車にも関わらず)だったのが、テレワーク時では3000歩未満のことも…。
常にスマートウォッチをつけていたわけではないので正確な数値ではないですが、冷静に考えると本当に歩いてないですね。。

厚生労働省では1日8000歩以上を推奨しているわけですから、病気の予防のためにも運動は必要ですね。
■参考:厚生労働省「健康日本21 身体活動・運動」より

不要不急の外出を避ける、というのはもちろんですが、これで体を壊してはいけません!

それではここから、体調管理のために、在宅勤務・リモートワークでできる姿勢・適度な小休止・運動についてみていきたいと思います!

在宅勤務・リモートワーク|気を付けるべき姿勢

まずは正しい姿勢からみていきたいと思います。
今回は急遽在宅勤務・リモートワークになった方を想定し、会社と同じデスクトップPCではなく、ノートパソコン利用時の姿勢についてみていきたいと思います。

姿勢については人間工学に基づいて、ということで日本人間工学会のサイトを拝見…。

ぴったりなガイドラインを見つけました!
「2010年版 ノートパソコン利用の人間工学ガイドライン -パソコンを快適に利用するために-」2010年3月31日 テレワークガイド委員会発行
https://www.ergonomics.jp/official/page-docs/product/guideline/notePC-guideline-2010.pdf

当ガイドラインから、気になったポイントをピックアップしてご紹介します!

■利用者の体格に合せて椅子と机の高さを調節
・肘から手首までの前腕とキーボードが平行になること!
肘の角度はだいたい直角になること!
足裏が床にぴったりつくこと!

椅子と机の高さを調節できないと難しいかもしれませんが、椅子の座面にクッションを置いてみたり、床の上に足置きを置いてみたり、ノートパソコンの下に本を置いてみたり、いろいろ試してみると、自宅でも割と調整がききますね♪

在宅勤務・リモートワーク|適切な小休止

在宅勤務・リモートワークの場合、休憩の取り方など、自己管理能力が問われる部分が大きいですよね。
なんと、過剰労働といわれる「働きすぎる」人も割といるのだとか。

“決められた"ルールに従うことはできても、自分で自分を律することができない人も中にはいるはず。

「どのくらいなら休憩してもいいの?」

決まった数字はありませんし、上長やチームとのコミュニケーションにもよりますが、厚生労働省のガイドラインにて小休止に対する記載を見つけました!

5 作業管理
 作業者が、心身の負担が少なく作業を行うことができるよう、次により作業時間の管理を行うとともに、4により整備した情報機器、関連什器等を調整し、作業の特性や個々の作業者の特性に合った適切な作業管理を行うこと。
(1)作業時間等
イ 一日の作業時間
情報機器作業が過度に長時間にわたり行われることのないように指導すること。
ロ 一連続作業時間及び作業休止時間
一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業までの間に10 分~15 分の作業休止時間を設け、かつ、一連続作業時間内において1回~2回程度の小休止を設けるよう指導すること。
ハ 業務量への配慮
作業者の疲労の蓄積を防止するため、個々の作業者の特性を十分に配慮した無理のない適度な業務量となるよう配慮すること。

厚生労働省労働基準局長 令和元年7月12日「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン

ちなみに、「小休止とは、一連続作業時間の途中で取る1分~2分程度の作業休止のこと」だそうです。
(このガイドラインは、椅子のクッションのことまで書いてあるのでしっかり読み込んでも面白いかもしれません。)

つまり、一つの業務を60分以内として、その間にも1~2分の作業休止の時間を設け、業務と業務の間には10~15分の休憩を入れる、ということですね。

そんな私も、作業がノリにノッたときには気づいたら90分座りっぱなしだったとかもあります。
体のことを考え、長期的にリモートワークをすすめることを思えば、休憩・小休止も自己管理のうちですね。

在宅勤務・リモートワーク|適度な運動

在宅による運動不足は先ほどもご紹介した通りですが、ずっと同じ姿勢でいることによる体のコリは、小休止にほぐしてあげましょう!

「リモートワーク 運動」や「在宅勤務 ストレッチ」などで検索するとたくさん情報が出てきます。

ずっと同じ姿勢でいるのは体に悪影響を及ぼします。
先ほどの作業休止・小休止などの休憩時間を使って、背伸びをしたり、凝り固まった部分をゆっくりじんわり伸ばしてあげましょう。

ちなみに、私がやっているのは「ラジオ体操」です。

子どもたちと一緒にやってるので、一つずつのしっかりとした姿勢を取りながらの運動はできていないかもしれませんが、これがかなり効きます!
凝り固まってるところはちょっと痛みを感じて、ストップすることも^^;

ラジオ体操の起源は古く、昭和3年(1928年)に「国民保健体操」という名称で、国民の体力向上、健康の保持増進を図る目的でつくられたものです。
とはいえ、膝や腰に痛みを感じる方はご注意くださいね。

健康管理・運動の行い方などは、ぜひ自分自身の体としっかり相談しながら、自己管理のもとで行ってくださいね!

テレワークやWFH(Work From Home)を快適に、そして成果を出しながら実施するためには、環境づくりと自分自身の健康・体調管理が大切です。

突然のテレワーク実施に戸惑う方も多いのではないでしょうか。
ただ、与えられた環境の中で事業を継続していくためにも、在宅勤務やリモートワークでも最大限の成果を出すことが求められます。

WFH(Work From Home)では、環境づくりも自己管理の部分が多くあります。
難しい部分などはもちろん会社や上長にも相談しつつではありますが、ぜひ自分なりの環境づくりを行ってみてくださいね!

ぜひ今回の記事も参考になれば幸いです!

この記事を書いた人 玉城 久子(たまき ひさこ)
株式会社プロトソリューション(沖縄県宜野湾市)の広報担当。
2018年にえるぼし(3つ星)認定に成功し、以降セミナー登壇など女性活躍に力を入れる。
2児の母でもあり、同じママたちに”生きる知恵”を伝えるべく「制度」系の勉強中。「SDGs」への関心も高まっており、脱プラや環境配慮に関する記事も書き始めました。