テレワーク・WFHとは?在宅勤務・リモートワーク導入への課題・デメリットについて【①育児との両立 編】
新型コロナウイルスにかかる緊急事態宣言を受けて、感染症拡大防止の観点からテレワークを導入する企業・団体が増えています。
…がしかし、実は「増えている」といってもまだまだ在宅勤務・リモートワークを実施している企業は半数にも満たないそうです。
第3回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査( 2020年4月10日 東京商工リサーチ(TSR)調べ (有効回答1万7,896社) )によれば、「コロナ感染拡大防止のため在宅勤務・リモートワークを実施した」と回答したのは、25.4%とのこと。
これは資本金をベースとした企業規模でも実施率は大きく異なり、資本金1億円未満の企業では、20.9%の実施率にとどまるようです。
新型コロナウイルス感染拡大防止から、小中学校の臨時休校措置や保育園の休園など、育児をしながら在宅勤務を行うケースも増えています。
今回は、急増するテレワークにポイントを絞り、育児との両立という観点から紹介していきたいと思います。
テレワークとは?
ここでまず「テレワーク」の定義について先に確認していきましょう。
テレワークとは、「ICT(情報通信技術)を活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」です。
厚生労働省「働き方・休み方改善ポータルサイト」テレワークとは
インターネットなどのICTを利用することで、本来勤務する場所から離れ、自宅などで仕事をすることができます。さまざまな場所での柔軟な働き方は、「従業員の育児や介護による離職を防ぐことができる」「遠隔地の優秀な人材を雇用することができる」「災害時に事業が継続できる」など、多くのメリットをもたらします。
テレワークは、育児・介護等を行う一部の従業員のみに対する福利厚生策ではなく、会社全体の働き方を改革するための施策の1つとして期待されています。
柔軟な働き方で、育児・介護による離職防止につながったり、場所を問わずに人材登用ができるのは、大きなメリットになりますよね。
そして、今回のケースのように災害時に事業が継続できる、というのは企業にとってはとても重要なポイントになります。
テレワークは、「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス勤務(施設利用型勤務)」の3つの形態があります。
リモートワーク、というのはremote(=遠隔)を意味するので、テレワークとほぼ同義といえるでしょう。
ちなみに、在宅勤務を「WFH」ということもあるそうです!
「Work from home」の略語だそうですよ^^
個人的には英語3文字の略語が多くて覚えきれないかもですが(笑)
テレワークという言葉が、多くの場所で用いられてはいますが、今回のコロナ対策でとられている施策としては、「不要不急の外出を控える」という大前提があるので、現状でいえば「在宅勤務」を指すことが多いように思います。
在宅勤務・リモートワーク導入の課題・デメリット【育児との両立】
厚生労働省「働き方・休み方改善ポータルサイト」の「在宅勤務」の欄を見てみると、以下のような図があります。
在宅勤務を想定するとき、子どもは保育園に預けている前提の図ですよね…。
もちろん、当初の「テレワーク」の意味合いとしては出産後の離職防止の観点も含まれていますが、親にとっても子どもにとっても、仕事をする際には未就学児は保育所などに預けることが一般的かと思います。
ただし、現状では小中学校の休校措置や保育園の休園など、文字通り「育児と在宅勤務を両立」しなければならない状況にあるのです。
ベビーシッター補助の件でもご紹介させていただいた株式会社キッズラインの調査によると、「子どもがいると集中できない」と回答したのは75.5%にのぼるとか!
回答者の声として以下のような言葉も…。
・子供が遊んで欲しいといってくるので、なかなか集中できない。仕事に集中するには、youtubeをみせたりと最後には運動したくなって収拾がつかなくなることもある。
株式会社キッズライン「「子どもがいると集中できない」75.5%。在宅勤務ワーママの調査結果」
・子供が長時間一人遊びすることはできないです。ママが近くにいると一緒に遊べるものと思っているようです。
・子供は「ママが家にいる」のに遊んでもらえず、こちらも大事なビデオ会議の際など、子供が入ってきてしまい「邪魔しないで!」と言ってしまうなど、双方に悪影響。
分かる!…分かります!!激しく同意!
さて…、我が家にも2人の未就学児がいます。
母親が近くにいるのにPCばかり見ている状況に不満のある上の子。(そりゃそうですよね)
保育園にも行けず、公園など人が密集する場所にも行けず、エネルギーを発散させるには難しい日々が続きます。
ビデオ会議をしようものなら、自分が話したい!となってしまうのは仕方ないことなのかもしれませんが、仕事にはなりません。。
他にも未就学児を抱える家庭では、トイレやお着替え、食べ物や飲み物の準備には、割と時間を取られてしまうことも。
もちろん、子どもの安全が優先ではありますが、仕事をしなければ収入が…、など、様々な葛藤の中に身を置くことになります^^;
ちなみに、テレワークの従業員側のメリットとして厚生労働省が挙げているのが、以下になります。
これを見る限りでは、この5つの項目は育児をしながらの在宅勤務ではなかなか難しいものがあると言えますよね。
(ちなみに、現状、保育園をお休みしている我が家では5項目すべてに課題を感じています^^;)
育児中の在宅勤務のメリットとは
当初より育児中の在宅勤務はメリットが大きいと言われています。
そこにあるメリットとは、「移動時間の削減」が第一です。
総務省統計局「平成28年度社会生活基本調査」によれば、平日の通勤時間は男性が1時間 24 分,女性が1時間6分 だそうです。
確かに、1日24時間の中で、1~2時間を自分時間として使うことができれば、それはもう育児の時間のない最中では本当にありがたい話です。
(ただ、これはあくまでも仕事中に育児をしない前提ではありますが^^;)
育児をしながらの在宅勤務で成果を上げるためには
実際にすでに「育児をしながら」在宅勤務をしている方々にヒアリングをしてみたところ、以下のようなアドバイスをいただきました。
育児しながら在宅勤務 上司・会社とのコミュニケーション
・自身の家庭環境について伝えておく。
→子どもの年齢、頼れる親族の有無など
・自身の成果基準について上司と共通認識をもっておく
・自身の勤務状況について都度コミュニケーションをとる
・緊急時の連絡方法を共有しておく
育児しながら在宅勤務 未就学児とのコミュニケーション
・(理解しなくても)事前に「仕事」ということを伝える
・体力低下防止とエネルギー発散のため、三密を避けた運動を取り入れる
・頼れる親族やベビーシッターなどを活用する
・抱きしめる、など子どもの不安を取り除く
親が「仕事に集中できない」とイライラするのもありますが、それ以上に子どもたちも、これまでと違う日常に不安を覚えているはずです。
まだ小さくて理解ができなくても、しっかり言葉で伝えること、笑顔を向けることが大事だなと感じています。(自戒の念を込めて^^;)
参考として、4月まで条件変更ありつつ延長となったベビーシッター補助の記事を掲載しておきます。
会社とのコミュニケーションについては、評価部分などかっちり決定できていない部分もあるかもしれませんが、遠隔だからこその「報告・連絡・相談」を第一に、ここは密な連携をとっていきましょう!
企業がテロや災害、システム障害などの緊急事態に遭遇した場合でも、事業を継続できるための戦略として掲げられるBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)の中に、テレワークが一つの施策として挙げられているように、企業を継続させるためにも、自身のキャリア継続のためにも、一人ひとりが知恵を出し合って、困難に立ち向かっていきたいですね。
次回は、続編として、在宅勤務における体調管理についても紹介していきたいと思います!