2022年1月1日より傷病手当金の支給期間が通算に!(健康保険法)治療と働くの両立が可能に

2022年2月3日

今年の1月1日から傷病手当金制度につき改正が行われ、支給期間が通算化されました。

これまでは支給開始日から最長1年6カ月だったのが、【通算して】1年6カ月に達する日まで対象となったということですが、受給者としてはどんな点が変わるのでしょう?

今回は、そんな傷病手当金制度について一緒に調べていきましょう!

傷病手当金って何?

たまき
たまき
実は私もこれまで一度だけ受給したことがあります! 妊娠中につわりが酷すぎて入院措置となってしまい、会社を1週間ほど休むことに。。 その時には医師の判断のもと、傷病手当金の対象となりました! ※症状がひどい時には会社や医師に相談を!

傷病手当金は、病気で会社を休んだ時にとても助かる制度です。
有給休暇を使うことができればもちろんそれで対応できますが、休みがちな時にはどうしても欠勤になってしまうことも。

そこで、連続して会社を3日間休んだ上で、4日目以降休んだ日に対して傷病手当金が支給されるというものです。

私の例では、妊娠時の悪阻(つわり)が理由による入院だったので、1年6カ月を超えない期間でも問題なかったのですが、長期療養が必要な病気の場合では【期間】が大きな課題になっていたのです!

傷病手当金の支給期間通算化の背景

令和4年1月1日から施行された今回の改正で、傷病手当金の支給期間が、支給開始日から【通算して】1年6カ月になりました。

厚生労働省HPでは、以下のように記載があります。

治療と仕事の両立の観点から、より柔軟な所得保障ができるよう、「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律(令和3年法律第66号)」により健康保険法等が改正されました。この改正により令和4年1月1日から、傷病手当金の支給期間が通算化されます。

厚生労働省「令和4年1月1日から健康保険の傷病手当金の支給期間が通算化されます」より

この「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律」って私は初めて目にしました。

簡単に言うと、社会保障の構造を見直して、全ての世代で広く安心を支えていこうというものです。
■参考:全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/000733601.pdf

現役世代が負担して高齢者中心に給付されているイメージを払拭しようという試み、と言えるでしょうか。

さらに、傷病手当金の疾病別構成割合をみると、新生物(がん)が全体の約2割となっており、働きながら治療をするがん患者の方も多く、通算化の声が高まっていたことも背景にあります。

令和2年3月26日厚生労働省保健局「傷病手当金について」 より 出典元:全国健康保険協会「現金給付受給者状況調査(令和元年度)

医学の進歩により、がんの生存率は年々上昇しているにも関わらず、支給開始日から起算して1年6カ月を超えない期間となっていた際は、治療の長期化で離職を余儀なくされるケースもあったようです。

そこで、治療と仕事の両立等の観点から傷病手当金の支給要件の見直しがなされたんです!

働きながら定期的に通院治療を行う場合にも、傷病手当金の支給期間が通算化されれば、1年6カ月を超えていても通算1年6カ月の間であれば支給されるというわけですね!

厚生労働省「傷病手当金」通算化周知リーフレットより

普段ならあまり訪問しない各省庁のサイトも、調べていくうちにいろんなデータに触れることがあり、発見の連続だったりします。

たまき
たまき
日本のトップ頭脳集団によるデータだからこそ、本当はもっと関心をもって触れるようにしたいですよね。 でも、いかんせん難しかったりどこに何があるのか分からなかったり・・・。 そんなデータも調べていきます!

離職をせずに働き続けられる!
選択肢が増える、自分で選べるというのは大事なことですね。

とはいえ、通算化するとなると管理はかなり大変になりそうなイメージ…。
そのあたりもぜひご本人も管理側もスムーズにやり取りできるようになると良いですよね!

今回の記事も何かの参考になれば幸いです。

※傷病手当金の申請には医師の証明などが必要になります。
ぜひかかりつけ医に相談の上、会社ともしっかり相談をしていきましょう!会社の制度なども有効活用できるかもしれません。

この記事を書いた人 玉城 久子(たまき ひさこ)
株式会社プロトソリューション(沖縄県宜野湾市)の広報担当。
2018年にえるぼし(3つ星)認定に成功し、以降セミナー登壇など女性活躍に力を入れる。
2児の母でもあり、同じママたちに”生きる知恵”を伝えるべく「制度」系の勉強中。「SDGs」への関心も高まっており、脱プラや環境配慮に関する記事も書き始めました。

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Posted by media-w