幼児教育・保育の無償化とは?2019年10月1日スタートの制度、対象者・利用料とは?【後編】

こてつんさんによる写真ACからの写真 

令和元年(2019年)10月1日からスタートとなる「幼児教育・保育の無償化」について、【前編】では対象年齢や「利用料とは」について紹介いたしました。

【後編】では、なぜ「幼児教育・保育の無償化」がスタートすることになったのかという背景について紹介していきたいと思います!

そもそも「幼児教育・保育の無償化」はなぜスタートしたの?

今回「幼児教育・保育の無償化」を調べるにあたり、なぜこの内容がスタートしたのか?という背景について知りたくなりました。

その答えは、内閣府資料に紹介されていました。

1.総論
○ 幼児教育の無償化については、「新しい経済政策パッケージ」(平成 29 年 12 月8日閣議決定)及び「経済財政運営と改革の基本方針 2018」(平成 30 年6月 15 日閣議決定)を踏まえ、以下の方針に沿って具体的な制度設計を行うとともに、法制化に向けた検討を進める。

(幼児教育の無償化の趣旨等)
○ 少子高齢化という国難に正面から取り組むため、来年 10 月に予定される消費税率の引上げによる財源を活用し、子育て世代、子供たちに大胆に政策資源を投入し、お年寄りも若者も安心できる全世代型の社会保障制度へと大きく転換する。
20 代や 30 代の若い世代が理想の子供数を持たない理由は、「子育てや教育にお金がかかり過ぎるから」が最大の理由となっており、幼児教育の無償化をはじめとする負担軽減措置を講じることは、重要な少子化対策の1つである。また、幼児教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培うものであり、子供たちに質の高い幼児教育の機会を保障することは極めて重要である。

○ このような背景を踏まえ、これまで、段階的に推進してきた取組を一気に加速する。
現行の子ども・子育て支援新制度(以下「新制度」という。)の幼稚園、保育所、認定こども園等の利用者負担額を無償化するとともに、子ども・子育て支援法(平成 24年法律第 65 号。以下「支援法」という。)の改正法案を次期通常国会に提出し、新制度の対象とはならない幼稚園、認可外保育施設等の利用者への給付制度を創設する等の措置を講ずる。

○ また、就学前の障害児の発達支援についても、併せて無償化を進めていく。

平成30年12月28日関係閣僚合意「幼児教育・高等教育無償化の制度の具体化に向けた方針」より

「少子高齢化」を国難と捉え、消費税率引き上げの財源を子育て世代・子供たちに投入する、という流れになったということですね。
「全世代型の社会保障制度」というキーワードも最近よく目にするように思います。

ちなみに、「理想の子供数を持たない」というワードは私は初めて知りました!
理想の子供数」は2015年の調査結果では、2.32人だそうです。
ただ、実際の子供数は2.01人という結果も。

夫婦の理想子ども数、予定子ども数とも過去最低に
 夫婦にたずねた理想的な子どもの数(理想子ども数)の平均値は、前回調査より0.1人低下し、これまででもっとも低い2.32人となった。夫婦が実際に持つつもりの子どもの数(予定子ども数)の平均値も前回調査に引き続き低下し、2.01人と過去最低になった。

国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」結果概要より

私は二児の母ですが、やはり保育料は高いなというのが本音です。
ただ、大切な子供を自分に代わって保育してくれる場所と考えるとかなり安いとも思えます。

今、日本の人口は減少の一途をたどっています。
人口と経済発展は大きく影響しますので、やはり子供が増えて欲しいという考えはありますよね。

そして何より、子供たちが将来大きくなった時に笑顔で暮らせる世の中であって欲しい、と思います。

「幼児教育・保育の無償化」諸外国に置ける取り組み例

なお、イギリス、フランス、韓国では幼児教育の重要性を踏まえ、無償化の取り組みを進めているようです。

内閣府「幼児教育の無償化に係る参考資料(平成30年12月28日)」より

私はまだ子供たちが1歳の誕生日を迎える前に保育園を活用させていただきましたが、諸外国では3歳までは家庭保育がメインなのかな、と感じるデータです。

「幼児教育・保育の無償化」は夫婦への調査による要望からも

前述の「理想の子供数を持たない理由」について、「第15回出生動向基本調査」での回答も例として掲載されていました。

子育てや教育に係る費用が少子化の要因の一つとして捉えられています。

内閣府「幼児教育の無償化に係る参考資料(平成30年12月28日)」より

また、同じ参考資料内には、教育費等への補助を求める意見が多いというデータもありました。

内閣府「幼児教育の無償化に係る参考資料(平成30年12月28日)」より

私もこういうアンケートに回答したい!のですが、どうやったらこういうアンケート依頼は来るのでしょう・・・。どなたかご存知であれば教えてください^^

こういうデータを見ていて思うのが、もっと若い世代の男女が、こう言った国の調査や政策に関わるべきなんだろうなということです。

総務省が発表するデータでは、明らかに20代、30代の投票率が低いことが見て取れます。

総務省「衆議院議員総選挙における年代別投票率の推移」より

未来を担う子供達のためにも、まずは制度や仕組み・政治に興味を持つことから始めたいですね!

【後編】では、「幼児教育・保育の無償化」を調べていくにあたって気になったデータを紹介させていただきました。
沖縄に住んでいると、少子化とは無関係なんじゃないかというくらい子供がたくさんいるように感じます。
私の周りでも、一人っ子親は少ないように思いますし。

ただ、複数の子供を育てていくためには、親だけではなく祖父母の協力や、地域との関係性も大きく影響しているなというのが実感としてあります。

都市部では核家族化が進んでいて、「ワンオペ育児」という言葉もよく聞きますが、そう言った状況で子供を複数育てるのは正直ハードだと思うのです。

経済的な負担軽減はもちろんありがたい部分ですが、昔ながらの地域ぐるみでの子育て環境が整えば、子供も産み育てやすいのでは、と思います。

「W」というサイトを通して、制度や仕組みを知るきっかけになれば幸いです。ぜひ参考になれば嬉しいです♪

この記事を書いた人 玉城 久子(たまき ひさこ)
株式会社プロトソリューション(沖縄県宜野湾市)の広報担当。
2018年にえるぼし(3つ星)認定に成功し、以降セミナー登壇など女性活躍に力を入れる。
2児の母でもあり、同じママたちに”生きる知恵”を伝えるべく「制度」系の勉強中。